経営戦略・戦術の考察

~ しかたがないため外国人採用か、勝ち残るための外国人活用か ~

一時しのぎの外国人採用なのか?

 

 平成29年11月、日本の有効求人倍率は1.56倍、新規求人倍率は2.37倍であり、さらなる上昇傾向であると言われています。

[追記:厚生労働省の発表では、 平成29年12月の数値をみると、有効求人倍率(季節調整値)は1.59倍となり、前月を0.03ポイント上回りました。新規求人倍率(季節調整値)は2.42倍となり、前月を0.05ポイント上回りました。

 

 空前の人手不足である以上、「異常事態」ではあるのでしょうが、ではこの異常事態が終わった後を見越して経営戦略を練り、行動を起こしている経営者たちがいます。

 

 景気は常に波となっています。2020年の東京オリンピック特需がおさまってくれば、下り坂になることも考えられます。

 

 景気がいいと労働者は、土木建設業から製造業に流れ、景気が悪くなるとそれが逆流します。また、中小企業から大企業、地方から大都市への流れも同じとされています。

 

 

人口統計学的に日本人の生産年齢人口は減るとデータに出ています。
人口統計学的に日本人の生産年齢人口は減るとデータに出ています。

では、その転換期はいつなのか?

このことに関しては、エコノミストや各種評論家たちの予測でしかなく、”当たるも八卦、当たらぬも八卦”です。

そもそも、待ちの姿勢を決め込んだ中小企業の体力がどこまで耐えきれるのか?という心配があります。

 

問い合せを頂く企業の中には、一通りの説明を受けて、「やはり外国人を受け入れるのは大変だ」という理由で断念する企業もあります。

それは経営判断としてしかるべき選択だと受入れていますが、

その後、その企業に残される”人手不足”という課題は、どうしていくのだろうか?という疑問は残ります。

別の選択肢を選ぶのであればいいのですが、「ガマン」という方法を取るのだと、しわ寄せがくる社員さんたちがかわいそうな気がします。

 

日本の生産年齢人口が減ることは必至です。

いつまで日本人だけにこだわるのでしょうか?
減り続ける日本人を雇用・採用できるという勝算はありますか???


事例1:S社の方向転換

 

 土木建設業を営んでいるS社は、創業から20数年間、ずっと増収・増益を続けてきました。

 

 この会社の成長要因としては、まず時代が味方をしました。創業当時は3名で始まり、社長自身も現場作業を行っていました。丁度、その頃、建設土木に関する法律が変わり、建設時にはある作業が義務付けられることになったのです。それを得意としていたのがS社です。それによって、S社は受注量が増え、急激に成長を遂げます。

 

 この20数年間、好景気の時代もあれば、不景気の時代もありました。おそらく、日本全体としては不景気の時代の方が長かったはずです。それでも毎年増収・増益を果たすことができたのは、社員たちの努力はもちろん、S社は積極性と先見性に優れていました。そして、社長の号令によって動く社員たちの実行力が企業競争力となっています。

 そして今の時代(2015年~2018年)、日本の景気は良く、大企業ですら人材獲得に困る時代です。S社にも「人手不足・労働者不足」「現場作業員が足りない」という課題が浮上しました。

 

 安定した成長を遂げてきたS社にも失敗事例はあります。1つは中国人雇用による失敗です。初めての外国人雇用であり、経験・ノウハウがないため、ほぼ管理ができなかった(しなかった)ことが災いしたようです。非常に痛い目にあいました。2つ目は、ムダに終わった求人広告費です。経営状態は良いので、なんとか人を集めようと求人広告費に投資しました。かなりの金額だったのですが、ほぼムダに終わったようです。

 

 そこで当社にお声がかかります。こちらとしても失敗事例の説明を受けてから行ったので、対処方法を練りやすく、やりやすい面は多々ありました。(確実性を高めるための担保、失敗事例への予防策・改善策などを事前に準備することができました。)

 S社は、中国人労働者での失敗もあり、慎重にスタートしました。ベトナム人採用者には、予め注意事項も説明し、約束事もきちんと定めて、まずは少ない人数を受入れて様子をうかがうことにしました。

 その結果、特に大きな問題も発生せず、日本人社員たちとも打ち解けているようなので、徐々にベトナム人労働者を増員していくことになります。ただし、この時点ではまだベトナム人の人数が増えることで社内の勢力図が変わってしまうことを気にされていました。

 

 それから2年が過ぎ、S社は決断しました。

 ベトナム人を大幅に増員しよう

 

 

 S社はこれを機に、ベトナム人たちへの人事制度にも着手しました。もともと好待遇ではあったものの、さらに日本語検定の各レベルに合格した場合の資格手当制度を設けたり、日本の正月休みやベトナムの正月休みに大型連休(有給休暇)を取ることを認めたり、と長期雇用・育成を行おうとしている様子がうかがえます。

 最終的に、S社の全社員数におけるベトナム人の割合は4割強となりました。


 S社に限らず、長期雇用・育成の視点で、ベトナム人を戦力化しようとしている企業は他にもあります。

 日本で骨をうずめたいベトナム人を日本で長期に雇用とする企業もあれば、ベトナムに新たな会社・工場を作って、そこの責任者やマネージャーとして育てようとするなど、やり方はさまざまですが有期限雇用の技能実習生の雇用ですら、その先を見越している経営者がいます。そして、そういう経営の方が、ベトナム人たちとの付き合い方を大事にするので、物事がうまく進みます。(その逆の企業は、しばしば問題が発生します。)

 

 初めて「外国人」を受け入れるとなると、不安もあり、慎重にもなります。最初の1日、1週間、1か月、1年は、とにかく色々なことがあり、まちがえなく大変です。けれど、いつしかそこに慣れて、適応して、ふつうになっていくと、企業としての選択肢は広がります。

(実際、2年目からは言葉の障害はほぼ無くなります。言語以外の問題となると、個人や個別企業の問題であり、個人や個別企業の問題は話し合いで解決できることがほとんどです。)

 

 この先、どんな時代が訪れるかはそれぞれが予想するしかありませんが、選択肢が多い企業と、日本人雇用にこだわり続ける企業とであれば、競争力の差は歴然であると考えます。

 

 経営戦略をどう策略するか。

 戦術として、「海外人材」を含めるか。

 「人手不足」という顕著な課題がある時代だからこそ、人事を含めた経営手腕が試されていると思います。

 

 新たな戦略に「海外人材」「ベトナム」という単語が加わるのであれば、ぜひお声掛け(お問い合わせ)ください。

海外人材採用 × ベトナム拠点 × 中小企業診断士 = 当社だけです。

これが当社の土俵戦略、オンリーワン戦略です。