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ベトナムの技能実習生産業はホーチミンよりもハノイの方が盛んです。

古今東西「ベトナム人技能実習生」

ベトナム航空は7月末までの運休を発表していたのANAとJALとVietjetairが運ぶのか
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ベトナムの首都は「ハノイ」ですが、人口や(何を経済指標とするかにもよりますがざっくりというと)経済力は「ホーチミン」の方が上です。

僅差でもなくだいぶ開きがあります。

 

しかし、技能実習生産業に限ってははっきりとした差をつけてハノイが上なのです。

 

< ハノイの方が盛んな理由 >

以下の通りですが、確証データがあるわけでなく独断と偏見です。

  1. 技能実習生の送り出し機関は「ライセンスビジネス」なので、政治都市ハノイ(<--->商業都市ホーチミン)の方がライセンスを得やすい。
  2. 技能実習生産業は「モノマネ産業」なのでハノイで成功者が多く誕生すると、そこを中心として分裂と増幅が繰り返されてきたから。
  3. 北部出身者と南部出身者を比較すると、北部出身者の方が真面目で勤勉であり、南部出身者はラテン系のノリなので不向きだという風潮があります。(※もちろん、個人差があります。)

< アフターコロナ後の技能実習生産業 >

新型コロナウイルスはベトナム国内では収束して久しいですが、技能実習生産業は「人間を扱う海外貿易」なので輸出先が回復しないことには完結せず滞ったまま状態が続きます。

 

先日、別件でハノイの送出機関に勤めている友人に連絡したとき、話の流れで近況を聞いてみました。

給料が3分の1となって、日本円で7,000円ほどしかもらえていないそうです。

(※送り出し機関の職員は、基本給+歩合であることが多いです。)

ベトナムにも最低賃金制度があるので7,000円では最低賃金を下回っているはずですが、ベトナムの会社なのでそれ以上に野暮な質問はしませんでした。

 

ホーチミンで生活していると、新型コロナウイルスの影響を受けて困っているという人にほとんど遭遇しないのですが、ハノイの方がダメージは大きいのかもしれません。

 

< 事あるごとに冷酷無比を露呈する技能実習制度 >

今月(6月下旬)から日本はベトナムからの渡航者を受け入れ、その対象に技能実習生が含まれるようです。

送り出し機関やその職員にとっては有難い話なのでしょうが、日本は未だに新型コロナウイルスの新規感染者が毎日現れているような状況において、本人たち(技能実習生)やその家族は安全な場所から危険な場所へ行きたい・行かせたいわけがないはずです。

 

けれど、おそらく無理やりでも行かされます。

なぜならば、受入れ企業(日本企業)が「来い、来い」と手招きしているからです。

 

「行く」「行かない」の選択の余地はあるかと思います。

(※"行かない"を選ぶことは実習生になるために費やしてきた時間・労力・費用を無駄にする覚悟での主張となります。)

「待ってください」は聞き入れてもらえぬでしょう。

技能実習生たちは集団行動です。

個々の意見は汲み取られず、受入企業と監理団体の都合で予定が決まっていきます。

弱い立場である彼ら・彼女らは従わざるを得ません。

 

人の感情を無視した貿易業が再開しようとしています。