令和5年度の中小企業診断士1次試験那覇(沖縄)会場が中止になったことについて

令和5年度中小企業診断士第1次試験会場について那覇地区・沖縄県市町村自治会館会場は台風6号の影響により実施を取りやめることといたしました。
中小企業診断協会HPより

令和5年(2023年)度の中小企業診断士一次試験で、台風の影響で那覇会場(=沖縄会場)が実施できないという判断で中止し、那覇会場で受験する予定だった方たち全員を不合格とする決断をしました。(※受験料の返金や科目合格有効期間については別途対応するとのことです。)

 

中小企業診断士については、人によって今年合格したいという気持ちの熱量に差があると思いますが、かつての自分のように仕事を辞めて試験勉強だけに専念する1年を過ごしたような人もいるでしょうから、心底同情します。

 

沖縄の中小企業診断士たちが立ち上がって、試験を受けられなかった受験生たちへの救済措置・代替措置を求める署名を集めているので「賛同してほしい」という連絡が沖縄の診断士仲間から届きました。

 

その署名活動に効果があるのかはさておき、もしそれで受験できなかった方たちが救われるのであれば大いに賛同します。

 

でも、その代替措置を求める署名は「代替措置(追試等)を求めます。具体的な対応策は協会側が検討してください。」となっていたのは残念でした。

 

中小企業診断士試験は国家試験です。

確か合格証書は経済産業大臣の名前で交付されたはずです。(※間違っていたらすみません。)

つまり、協会(一般社団法人中小企業診断協会)側の後ろに控えているのは役人の皆様で、お役人様たちがこんな文言で積極的に動いてくれるわけがないと思ったのです。

 

今こそ沖縄の中小企業診断士たちの英知を結集して、すんごい代替措置を提案してほしいです!

 


共感するし、思いは同じなのですが、そのやり方で解決できるのだろうかという疑念もあります。
共感するし、思いは同じなのですが、そのやり方で解決できるのだろうかという疑念もあります。

仮に"追試"が代替措置案だとして、

  • 試験問題を毎年度2つ以上作成する必要があり、問題作成の労力・時間・費用などが大幅に増加する(※2つ以上というのは追試試験も天災で中止になる可能性がある。ちなみに、中小企業診断士一次試験は7科目。)
  • 先の試験と後の試験の難易度で不公平が生じる
  • 罹災基準次第で2度受験できる可能性がある

大学受験生たちが受ける大学入試共通テスト(かつてのセンター試験)は試験問題が2つ用意されているというのは聞いたことがあります。

もしかすると司法試験や医師国家試験などの最難関(=最重要)試験については不正防止のため試験直前まで運営側にも分からぬA案・B案・C案が用意されているのかもしれません。

 

しかし、約300あるという国家試験すべて、各年度毎に複数の問題が用意されているとは思えません。

 

なので、おそらく中小企業診断士試験も1回分しか作っていないのだと思います。(※あくまでも個人的な推測です。)

 

だから、個人的には"追試案"は非現実的だと思いました。

 

そして、変革もなされないであろうと。

 

 


試験問題を2つ用意するのは大変だろうといったら「試験問題はAIに作ってもらえばいい」と言いのけられた
試験問題を2つ用意するのは大変だろうといったら「試験問題はAIに作ってもらえばいい」と言いのけられた

それをかつてTACに一緒に通った友達(当時大学生だった彼は一次試験に合格したものの、二次試験前に中国へ留学して、中国で勉強すると言っていましたが予想通り二次試験を棄権して、そのまま診断士にはなりませんでした。)に話したら、追試案推しでした。

 

理由は、

  • (追試試験を受ける人が有利なら)追試はちょい難しめに設定する
  • だいたい毎年度同じ問題なのだからAIに問題を作ってもらう

でした。

 

良し悪しはさておき、凝り固まった頭では考えられぬ発想だなとは思いました。

 

国家試験の問題作成係になれるのは、その業界の重鎮で、

その方々が各々の知見を活かし時間と労力をかけて毎年度の問題が作っているのだと思います。

 

でも、AIとかChatGPTとか、今までの人類が膨大な時間をかけて行なっていたことを一瞬で凌駕できるようになってきました。

 

だとしたら、

  1. 天災が起こる
  2. ある地域の試験が中止になる
  3. 救済措置として再試験を行うことを決める
  4. 試験問題案をAIが作る(※先の本試験とは完全不一致で、難易度を同等と設定する)
  5. 試験問題を責任ある人が最終確認して、役人のお墨付きをもらって印刷し、会場を抑える

ということも可能なのかもしれません。

(※その他もろもろあるでしょうが、そういう障害の解決ノウハウは運営側がこれまでの経験で持っているかと思います。)

 

その友人に、署名を集めている方たちに伝えたらいいと話しました。

 

採用されたら沖縄の中小企業診断士界の英雄になれる、と。 


追記

西村やすとし経済産業大臣のX(twitter)より
西村やすとし経済産業大臣のX(twitter)より

そのやりとりを先日(8月5日)にした翌日(8月6日)、経済産業大臣に届いたという連絡がありました。

 

その署名が届いたのかどうかはさておき(まだ送っていない気がします…)、主務大臣が指示したとなれば再試験が行われる可能性が一挙に高まりました。

 

となれば、いつ行うか?”が気になります

 

中小企業診断士試験は1次試験と2次試験があって、1次試験に合格すると2次試験に進めるのです。

 

2次試験は、令和5年10月29日(日)です。

 

  • これに間に合わすのか否か
  • 沖縄だけは2次試験も別日にするのか
  • 全国共通で遅らせるのか

大臣のお達しで事務局はてんてこまいになっているでしょうに。。。

 

問題作成はどうするのだろう???

 

いよいよChat GPTの出番か!?


さらに追記

いずれの予想も外れ、NHK NEWS WEBによると今年那覇会場で1次試験を受けられなかった方たちは全員「2次試験」を従来通りの日程で受けられ、その後に再試験となる「1次試験」を2023年内に受けられるのだそうです。 

2023年8月12日現在