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2021年ホーチミンのラーメンランキング

ホーチミンのラーメンランキング2021新春

※独断と偏見によるものです。

日本国外における世界最大級のラーメン激戦区ベトナム国ホーチミン市のレタントン通り×タイバンルン通り界隈

世界屈指の日本式ラーメン激戦区

 

 区切り方によっては新横浜のラーメン博物館や日本全国にあるラーメンミュージアムを店舗数や密度で超えるとされるホーチミンの日本人街「レタントン通り×タイバンルン通りエリア」はラーメン大激戦区です。日本食レストランはもちろん、焼肉店や牛丼屋など、この界隈で営業している「日系」飲食店のほとんどがラーメンを提供しております。

 

 新しいお店の出店・閉店ぐらいは気づきますが、各店舗のメニューの入れ替わりまではわかりません。「すべてを食した人はいるのだろうか?」というぐらい難題なので、この場はラーメン店および中華料理店に絞り込みます。(なので牛角さんやSUKIYAさんなどは対象外ですが、有名店や繁盛店が提供するラーメンはいずれもきちんとしています。)

 

 2021年新春のホーチミンラーメンランキングはこのようになりました。


同率1位(熱いラーメン部門)

 2020年ランキングでも述べましたが「醤油味・味噌味・トンコツ・塩味」や「辛い・辛くない」など、その日どのようなラーメンを食べたいかは体調・気分・天候などによって違います。また、ミシュランの星を狙うようなこだわり抜いた味に敬意を払う一報で、海の家やプールサイドで営業しているこだわり抜いていない簡素なラーメンも好きなのです。これらに差をつけることは(幅広い)ラーメン好きとは言えないと思うので、しばらく同率1位が続きます。


醤油部門1位:とみだや

正油らーめん

 

とみだやの正油ラーメン大盛り 2021

ホーチミンで行列ができるラーメン店といえば真っ先に名前が浮かぶのが「とみだや」さんです。王道、正統派、ちゃんとした味、という表現が似合うお店です。


味噌部門1位:中華DINING洋

味噌ラーメン

※町中華部門でも1位

中華ダイニング洋の味噌ラーメン(もやしトッピング)

「味噌ラーメン専門店」と「素朴な中華食堂の味噌ラーメン」の比較は難しいのですが、ベトナムで最もおいしい味噌ラーメンを作っているお店は中華ダイニング洋さんだと思います。(2021年以降は味が変わったのでオススメしていませんし、変わってしまった味ならランク外です。


豚骨部門1位:暖暮

豚骨ラーメン

※辛い麺部門でも1位

暖暮の烈火ラーメン

一風堂さんとの2強であると思いますし、昨年は一風堂さんを豚骨部門1位としました。今回入れ替えたのは一風堂さんの味やサービス等のブレが激しく、暖暮さんは安定しているからです。



同率1位(冷たい麺部門)

年中暑いホーチミンにおいては冷たくてのどごしの良い麺を欲することが度々あります。


つけ麺部門1位:暖暮

暖暮のつけ麺1.5倍

つけ麺

 

「つけ麺は太麺が好き」という方々は、一燈さんやとみだやさんを好むと思いますが、細麺好きなので暖暮さんを選び、これを超えるつけ麺は今のベトナムにはないと思っています。


冷やし中華部門1位:中華DINING洋

中華ダイニング洋の冷やし中華特盛り

冷やし中華

 

中華ダイニング洋さんの場合は、日本の「町中華」および「中華食堂」好きにはたまらないメニューがたくさんあります。これをベトナムで食べることができることに感謝の念を禁じ得ません。



同率2位

 2位としたのは、ただ筆者が「細麺」好きといった好みの問題と昨年1位にしていた一風堂さんは時折尋常でないぐらい"しょっぱい"という味のブレがあり、ハズレの日があるということで1ランク下げました。ただし両店とも、どのメニューを食べてもおいしい(細麺好きですが、太麺が食べられないわけではありません。)ので、店舗の紹介となります。


同率2位:一風堂

一風堂レタントン店の外観 2021

言わずもがな世界の一風堂さんなので誉め言葉は他の方々にお任せしますし、自分もそう思っています。しいていえば、味のブレやプロモーションの内容をスタッフが認識していないことなど、品質管理や従業員の教育等に苦労しているのが見受けられ、それが表に出てしまっているのが残念です。


同率2位:豚骨一燈

豚骨一燈の外観 2021

ラーメンもつけ麺も「太麺好き」には堪らないお店なはずです。けれど、自分は細麺好きなので、ここではいつも博多豚骨ラーメンを注文します。博多豚骨ラーメンにニンニクは必須だと思うので、ニンニクを提供してくれない分、ランクが落ちています。それ以外に何の不満もありません。



Ringer Hutのロゴ
ロゴ引用:リンガーハット

今回の該当エリアとは違うのでランク外ですが、Ringer Hutさんが対象になるのとすれば一燈さん、一風堂さんと並ぶ2位だと思います。

 

一燈さんも一風堂さんも最初はど真ん中ではなく郊外から始めました。

それと比べるとリンガーハットさんは(日本人を客層とするなら)ど真ん中ではないけれど、ストレートゾーンかボールゾーンかぎりぎりみたいな場所に1号店を作りました。

 

SukiyaもPho24も結局は「ど真ん中」で勝負しに来たので、リンガーハットさんが今度どう展開するのか注目しています。


ここからは各店舗1杯ずつの紹介です。

第3位:ふた葉

ふた葉のタンタンメン

担々麺

 

昨年閉店してしまった龍神さんを引き継ぐ形で登場したふた葉さん。

龍神さんの担々麺が好きだったので、ここで食べられるようになりました。

 

 お店の内装が洒落 しゃれ ていて、アルコール飲料が充実しています。

ハイクラスの顧客層をターゲットにしているのかお値段がやや高めです。

 

どうしようもなく担々麺が食べたくなったときか、贅沢してもいいときに訪れたいお店です。

 

 


第4位:麺屋の牛備

麺屋の牛備の牛骨ネギ味噌ラーメン

牛骨ネギ味噌ラーメン

 

他のメニューもいくつか試してみたのですが、シンプルな味噌ラーメンが1番おいしかったです。

 

ネギが好きなので、辛ネギ味噌ラーメンを選びますが、ネギにこだわりがなければシンプルな「牛骨味噌ラーメン」がお勧めです。

(ベトナムのネギはまだまだ日本の味には及ばないので、おいしいネギが手に入るようになればもっと魅力が増すはずです。)

 

牛骨辛味噌閻魔ラーメンはパフォーマンスとしてはいいのかもしれませんが、食べ方としては間違っているのではないか?と個人的に思っています。

 SNS映えを狙うにも刻一刻と焼けていくので、写真やムービーを撮っている間に料理が台無しになっていきます。

 

また、全部の麺類で大盛りや替え玉ができないのも残念な点です。

 


第5位:鶏そばムタヒロ

鶏そばムタヒロの塩鶏そば

塩鶏そば

 

自分だけでなく、他の人も同じ思いだったようで共感したのですが、スープは文句なくおいしいのですが、麺がいまいちなのか、もしくはスープとの相性が悪いのか・・・、やや残念な気持ちを抱きます。

 

お店としてたどり着いた味でしょうし、自分が訪れた際も多くのお客さんで賑わっていたので(日本人だけでなく、欧米人もいたのが印象的でした。)、人ぞれぞれの味覚によって違うのだと思います。

 

筆者は麺がヌルっとする感じが苦手なだけです。


第6位:千蔵

千蔵のこく旨辛ネギ味噌ラーメン

辛ねぎ味噌ラーメン

 

田所商店さんがこの地域から撤退してしまったので「味噌ラーメン専門店」は千蔵さんだけとなりました。

 

しっかりと コク がある味噌ラーメンです。

 

味噌の調達は独自で行なっているのか、ベトナムにある日本からの輸入販売店から購入しているのか・・・(ちなみに中華ダイニング洋さんは輸入販売店から購入していくつかの種類を独自の調合でブレンドしているそうです。)

 

もし、かつての田所商店さんのように日本から独自に味噌を輸入しているようなら、コロナ禍でどのように調達しているのかが気になるところです。

 

コロナ以前でしたら手荷物で運べたでしょうが、今はそれが難しい状況です。

郵送するにも発酵食品ですから関税などの手続きがややこしそうです・・・。

 

ネギに関しては麺屋の牛備さんと同じで、今後の進化に期待しています。

 


第7位:祥ノ家

祥ノ家の横浜家系ラーメン

横浜家系ラーメン

 

ベトナムにある家系ラーメンの中では最上位だと思いますが、日本で行列を成している家系ラーメンの有名店と同等かというと違うと思います。

 

家系ラーメンの総本山・吉村家さんや他の家系強豪店が製麺所とのパートナーシップを大事にしているように、自家製麺で再現するか家系専門の製麺所が進出してこないことには、横浜出身者を納得させる家系ラーメンは完成しないのかと思います。

 

というのも、以前、たまたま横浜出身者の集まりに遭遇して家系ラーメンの話題になったのですが、ベトナムにはホーチミンやハノイに家系ラーメンを出すお店はたくさんあるが、どれも満足していないとのことでした。


第8位:北浜

北浜のサンマーメン

サンマー麺

 

ラーメン専門店や中華食堂ではないので対象外にしなくてはならないのですが、「サンマーメン」が看板メニューなので含めました。

 

家庭料理店という名乗っているだけあって素朴な味です。

 

現時点ではホーチミンでサンマー麺が食べられるのはここのお店だけなはずです。(当社調べ)

 

 


第9位:たいたん

たいたんの特上塩ラーメン

特上塩ラーメン

 

商品開発および調理、店舗運営をすべてベトナム人だけで行なっているお店のようです。

 

大阪の有名店で修業(留学生時代にアルバイト?)したそうです。

 

味は、良くも悪くもいたって普通です。

 

これが海の家で食べられるのなら喜ばしいですが、激戦区で通じるものかと問われたら首をかしげますが、お店を続けられるぐらいの集客はできているとのことでした。

 

ベトナム人だけでやっているので人件費などを抑えられるようです。


第10位:ICHIBANYA

ICHIBANYAの横浜家系ラーメン

横浜家系ラーメン(醤油)

 

(自分ではなく他の人のコメントで)味の感想が「あっさりしている」と言われていたら、家系ラーメンとして致命的ではないかと思うのですが、いかがなものか・・・?

 

毎日100kgの豚骨と鶏骨を使ってスープを作っているそうです。

 

筆者の感想も「スープが薄い」だったので、濃くするためには200kg、300kgと増やしていくしかないのでしょうか・・・?

 

そうなるとゴミ処理が心配になります。

 

それとも100kgが2倍、3倍になろうと大して変わりないのでしょうか・・・?

 

捨て方に関しては「骨が溶けるまで煮込む」とも思ったのですが、それにしてはスープが薄過ぎる気がします。

やはり100kgでは足らないのかもしれません。

(ちなみに横綱白鵬の体重は151kg程だそうです。)

 

麺については、ベトナムにある家系ラーメン提供店共通の課題であり、祥ノ家さんのところで述べた通りです。


ランク外:DAIICHI、ラーメンバーすず木、つけ麺醍醐

ここ1年間以上一度も訪れることがなかったお店なので比べませんでした。


DAIICHIの外観 2021

DAIICHI


ラーメンバーすず木の外観 2021

Ramen Bar Suzuki


つけ麺醍醐提供店の外観 2021

つけ麺 醍醐


いずれもコロナ禍の2020年を生き残ったので、コアなファンがいるのかもしれません。


2021年ホーチミンで食べたラーメンたち


なお、2020年初めから2021年の年明けあたりまでの間に惜しまれつつこのエリアからは撤退・閉店したお店は、

  • 田所商店
  • 博多家ふくろう
  • 龍神
  • きりん寺
  • こころ(※移転後、業態転換してラーメン以外のメニューを主軸として店名も変わったので対象外としました。)
  • でびっとらーめん
  • 麺処大ちゃん

です。(順不同)