TAITAN RAMEN(たいたんラーメン)
日本人街で日本のラーメンで勝負するベトナム人経営のラーメン店
<ずっと気になっていたお店に初めて来店>
大阪の有名店で"修業した"ベトナム人たちによる経営だと紹介されていました。
"修行"と"アルバイト"は別だと思いますし、修行だとして「在留資格は何だったのか?」「修行を終えて戻ってきたのだろうか?」「なぜ店の名前を使わせてもらえないのだろうか?」という疑問が沸きます。
けれど、アルバイトから社長に成り上がったブックオフさんの例もありますし、弟子入りやアルバイトで働かなくとも有名ラーメン店として名を馳せている方々は日本には大勢います。
従って、経歴や過去はともかく、
今ここでおいしいラーメンを提供できるのかが肝心なのだと思います。
<セールスプロモーション>
もうこの暖簾は下げたようですが、かつて"本物の日本の味"と謳っていました。
「本物の日本の味とは何だろう?」と考えました。
ベトナム人シェフが作るのであれば、食材はすべて日本から輸入して、調味料・食器・浄水器などは日本のメーカーの物を使うのであれば"本物の日本の味"なのかもしれません。
「ベトナムで」もしくは「ベトナム人が」日本の味を真似たのであれば、本物ではないはずです。
このエリアは、ラーメンはもちろん、寿司・焼肉など「日本の味」を提供するお店の大激戦区なので、
日本料理が食べられないベトナムの過疎地ならともかく、
ここで"本物の日本の味"を謳うのは他店を偽物呼ばわりしているかのような大胆不敵なPRです。
「塩ラーメンがおいしい」と載せているSNSを読んだのでそれにしようと決めていたのですが、メニューを眺めていると"特上塩ラーメン"と"鶏塩ねぎラーメン"の2つがあります。
店員さんに違いと訊いたところ、豚肉チャーシューと鶏肉の違いだったり、「特上塩ラーメンはあっさり、鶏塩ねぎラーメンはもっとあっさり」という回答だったので、あっさりし過ぎて味が薄いのも嫌だと思い、特上塩ラーメンにしました。
ちなみに、特上塩ラーメンと鶏塩ねぎラーメンはスープと麺は同じなのだそうで「(何が特上なのだろう?)」と、ここでも言葉選びについて疑問が沸きましたが胸の内にしまっておきました。
<実食した感想>
まずくはないのですが、特別おいしいというほどでもない。
これで無添加だというなら魅力的ですが、おそらく化学調味料が使われているはずです。
("味の素"の味が日本の味ではなく、ベトナムの味も"味の素"の味です。)
<ざっくり経営診断>
自分がこのエリアに来るのは日中が多いので、このお店の前を通ってもだいたいいつも0人、もしくはわずかにいるだけという様子でした。
「大丈夫なのかな?」と常々心配になっていたので、踏み込んだ質問をしてみるとだいたい毎日50人ぐらいのお客さんが来るそうです。
仮に平均客単価が1000円、1日50人、定休日なしとします。
1000円×50人×30日=毎月1,500,000円の売上
原価が3分の1だとして500,000円
家賃がいくらかわかりませんが、おそらく100万円はかからないだろう・・・
そうなると3人のベトナム人スタッフの給料は払えそうです。
なるほど、続けられている理由がわかりました。
カウンターバーの立ち並ぶ通りにあるので、飲んで遊んだ後にシメのラーメンとして選ばれるのだと思います。
立地と営業時間がこのお店の競争力なのだと推測します。
(コロナが明けて出張者や外国人観光客が増えることを考えれば将来性もあります。)
一方、日本人スタッフがいるお店はその人件費がだいぶ重しになっているのだろうなと改めて学ぶことができました。
Taitan Ramenが他の日本人オーナーのお店に立ち向かう姿勢はベトナム人経営の模範となるのかもしれません。