「技能実習2号移行対象職種(=3年または5年の雇用が可能となる職種」に貨物運送業務を加えようとする動きがあるようです。
個人的な意見としては、実現しないだろうと思っています。
喧々諤々な意見が交わされたというよりはもともとの台本があってのやりとりだと思いますが、記事に書かれているような技術移転か否かやエッセンシャルワーカーということを論点とするよりも、ふつうに考えたら来日して間もない外国人たちがトラックを乗り回していたら危ないだろうという考えに至るはずです。
または、事故を起こして免許停止となった技能実習生たちはその後どうするのか?
人数が少なければ荷詰め・荷下ろし要員でも雇用し続けていてもいいのでしょうが、免停者ばかりになってしまったらどうするのか?
母国へ強制帰国させるのか?
- 日本で日本人と同じように教習所に通って試験に合格して取得する方法
- ジュネーブ条約加盟国であれば国際運転免許の取得、ウィーン条約加盟国であれば母国で取得して日本に来てから切り替える方法
があります。
ベトナムはウィーン条約締結国なので免許の切り替えは可能なのですが、トラックを運転するための中型免許・大型免許を取得するには免許を取得してから中型免許は2年以上、大型免許は3年以上必要なので該当者を見つけることが難しいです。
※ベトナムではそもそも自動車運転免許を持っている者が少ないので採用時点で日本語教育と同時に自動車運転免許の取得してもらうことになると思いますが、トラックが運転できるC1やC2を持っている者で、さらに2年以上・3年以上経っているという者を見つけるのは困難を極めると思います。
フィリピンやタイはジュネーブ条約を締結しておりベトナムよりは運転免許取得率が高い可能性があります。
しかし(フィリピンは訪れたことがないのでわかりませんが)タイのタクシードライバーの粗暴さは有名です。
以前、バンコクのタクシー乗り場で待っていたら、キュルキュルする音が近づいてくるので目を向けるとカーブをドリフト走行で曲がってきたタクシーが現れました。車が止まった途端に乗っていた二人組の欧米人女性が降りて、ブチギレていました。彼女らは乗車賃を払わずに去っていったのですが、タイ人運転手は「なぜお金を払わないのだ」と喚いてました。
率直に技能実習項目にトラック運転を加えることなんぞ正気の沙汰でないと思っています。