猛威を振るう新型コロナウイルス禍ベトナムで体験した2週間の変化

< 2回のハノイ出張で感じたこと >
再びホーチミンからハノイに出張することとなりました。
2週間前、ホーチミンのタンソンニャット空港の国内線は平常時(新型コロナウイルス感染症が騒がれる以前)よりも賑わっているほどでした。
当時は、ベトナムでの感染者16名が現れたものの全員が完治して平常を取り戻しつつあり、かつ飛行機代が安くなっていたので国内移動(旅行?)が活気を帯びている最中だったのだと考えます。
前回のハノイ出張中、再びベトナム国内で感染者が現れたと報道されました。
ハノイ市内でみつかったそうです。
ホーチミンへ戻るのが申し訳ない気になりましたが、帰らぬわけにもいかないので自分はホーチミンへ戻りました。
幸い、私の周囲で感染した方はいないのですが、ベトナムは急激に増えました。
もともと16人の感染者だったのが、あっという間に30人、40人、50人、60人とどんどん増えていき、
最新の情報では計85名(うち17名は治癒)だそうです。
※在ホーチミン日本国総領事館からの一斉メールより(2020年3月20日(金) 21:51 時点)
ハノイだけでなく、ホーチミンにも感染者が現れ、主要都市以外にも拡がりをみせました。

< 前回は混雑、今回はガラガラ・・・ >
大きな変化が起こったのは、2020年3月17日にベトナム政府の実質的鎖国の決断でした。
すべての国を対象に入国ビザを発行しない。
日本は15日以内の滞在であればビザなしの観光が認められていたのですが、そのビザ免除措置も停止されることになりました。
さらに、ベトナムに海外から訪れるには、
ベトナム人も外国人も「新型コロナウイルス感染検査を行い、陰性だった」という証明証が必要となりました。
その上で、最終的にはベトナム入国後に当局からの判断を仰ぐことになります。
これで心情的にベトナムへ訪れることを避けるようになります。
在ベトナム外国人(日本人含む)にとっても出たら易々とは戻れないという状況になりました。
その翌日、この時代に(この時代だからか?)衝撃を与える出来事が生じました。
ベトナム航空が3月23日から4月末まで、
ベトナム-日本間の全路線をすべて欠航する決断をしました。
これで物理的な遮断となります。
ANAはベトナム航空との共同シェア便です。
JALは減便するが、全便欠航ではないと言われています。
LCCのViet Jer Airは飛ぶと言われています。
けれど、飛行機を飛ばしたところでベトナムへ行く人たちが極端に少なく
(※入国できるか否か分からないですし、14日間の隔離覚悟で挑むことになります。)
赤字路線化は必至です。
飛行機を飛ばすのにどのぐらいの費用がかかるのか分かりませんが、
ベトナム航空は「飛行機を飛ばさない」という経営判断・・・、
Viet Jet Airは自社で抱える飛行機や従業員を眠らせておいても仕方ないので「少しでも売り上げを伸ばすために飛ばす」という経営判断があったということでいいのでしょうか???
(JALは色々なしがらみがあるから飛ばさずを得ない・・と穿った推測をしてしまいます。)
【追記】ベトナム政府は3月22日より、すべての外国人の入国を停止する旨、決定したとのことです。(在ホーチミン日本国総領事館による一斉メール 2020/03/21 23:40時点)
※速報なので外交や公用を除くという処置は取られるかと思いますが、一般人は(少なくともベトナムへの入国については)完全に遮断されることになりそうです。出発しても無客でしか帰ってこれないViet Jet Airもおのずと欠航が余儀なくされるのではないかと・・・。
JALはどうするか・・・?いざとなればプライべートジェット(≒政府専用機)という選択肢もある中でどれほど拘束力あるしがらみに巻き込まれているのか妄想してしまいます・・・。

< 異常事態と異様な光景 >
対海外&外国対策ではなく、ベトナム政府はベトナムの国内で運営するマッサージ店・バー・カラオケ店などに3月末までの営業停止命令を下しました。
外国人が集まる場所だからのようです。
それ以外にも学校は相変わらず休校が続いていますし、
映画館なども休館しています。
外国人が集める場所や大勢が集う場所が禁止されるのはわかるのですが、
国内移動&旅行が急激に止むのはなぜなのか不明です・・・
飛行機の値段は相変わらず安いです。
今回は急遽決まった出張なので、前日に予約することになったのですが、それでも安かったです。
1つの仮説としては「感染リスク」が人々の心情を過敏に反応しているのかと・・・。
空港で全身防護服をまとって移動している人をみかけました。
それも一組ではなく、二組です。
異常事態であることは解りますが、
それを解かった上で異様だと思います。